バンコク クライシス


 3  6月15日夜 バンコク


 タイの首都、バンコク。
タイ語ではクルンテープ・マハーナコーン。通称クルンテープ。
タイ語では天使の都を意味する。
 第2次世界大戦以前はアジアのなかで西欧列強がアジアを植民地化していくなか、独立を守ったのは日本とタイのみである。
 タイ国民の94%は仏教徒であり、その他南部にはムスリム。仏教国である。また、国民のタイ王室に対する敬愛の念は非常に高い。
 
 このクルンテープは人口約650万人。実際は800万人とも1,000万人とも言われている、東南アジアきっての大都市である。
 バンコクはチャオプラヤ川を中心に発展し、チャオプラヤ川東岸には王室、寺院が並び、高級ホテルもチャオプラヤ東岸に並んで建っている。
 現在はスクンビットどおりを中心とし東に向かって発展を続けている。また、北のラチャダーピセークどおりもめざましい発展をし続けている。
 現在はBTSスカイトレインと地下鉄も開業し、近代化がめざましい首都バンコク、クルンテープである。


 夜、祐二はチェックインを済ませた。ホテルはスクンビット通りにある中級ホテル。一泊1,200Bhtである。日本円で約3,500円。この金額で日本では考えられない部屋の広さとキングサイズのベッドがある。プールもついている。祐二にとっては申し分のないホテルである。

 1時間後、祐二は夕食に出かけた。

 外は1時間ほどのスコールのせいで吹き抜ける風は涼しく感じた。道路にはところどころに水溜りができていた。

 祐二はやや涼しくなったスクンビットソイ5のシーフードレストランで一人で夕食を食べる。シンハービールと焼き飯、、カオパットと海老の刺身を注文。この海老の刺身、タイ語の名前はよく
分からないのだが、生野菜のうえに生の川海老がのっており、大量の唐辛子入りのレモンであろうかライムであろうか?やや酸味のあるドレッシングがかかている。めちゃくちゃ辛いのだが・・・めちゃくちゃおいしい。癖になる美味さである。祐二は汗を噴き出しながらこの海老の刺身を食べる。。カオパットも安くて旨い。
 この料理で金額は250Bhtである。日本円にして約850円。安い、とにかく安いのである。
 
 この界隈は白人のおっさんがやたらと多い。しかもタイ人の女の子連れである。不思議に思いながらも祐二は食事を食べ終えた。

 食事のあと祐二はスクンビット通りを東に向かって歩いてみる。ソイ3を進むとアラブ人がやけに多く、料理屋もアラブ料理屋が並んでいる。このあたりはアラブ人街のようである。その後、またスクンビット通りへと戻り、今度は人の流れにまかせ横断歩道を横切った。

 横断歩道をよこぎって30メートルほどのところにナナプラザはあった。ここが有名なナナプラザである。
向かいにはナナホテル。祐二は日本でインターネットでナナプラザのことはおぼろげながらも知っていた。ここでは女の子が裸同然の格好でダンスをし、気に行った女の子がいれば、連れ出すことができるらしい。

 祐二は好奇心半分でナナプラザへ行ってみることに。正式名称はナナ・エンターテイメント・プラザ。
 入り口付近には屋台が3軒ほど。左に曲がりナナプラザのなかへ。このナナプラザは3階建ての構造になっており、入り口を取り囲むようにコの字型の構造をしている。
 オープンバー、GOGO BARが約40軒ほどがひしめきあっている。